
マンションをリノベーションすると、間取りはどこまで変えられるのでしょうか。
中古マンションのリノベーションを検討していると、施工会社のサイトなどでたくさんの間取り事例を見ることになります。
我が家もリノベーション会社を探していた頃は、さまざまな施工事例や間取りを見ていました。
そして実際に中古マンションを購入し、スケルトンリノベーションを実施。
和室をなくしてリビング・ダイニングを広げ、キッチンの位置や向きを変更。子ども部屋を2室設け、WICやパントリーも作りました。
リノベーションから約4年。
今の間取りを100点満点で評価するなら、85点くらいです。
大きな後悔はなく、同じマンションでもう一度リノベーションするとしても、基本的な間取りは大きく変えないと思います。
ただ、4年間住んだからこそ、
「ここは最初からこうしておけばよかった」
「もう少し大胆な間取りにもチャレンジしてみればよかった」
と思うところもあります。
この記事では、我が家のマンションリノベーション前後の間取りを紹介しながら、なぜこの間取りにしたのか、実際に4年間住んでどうだったのかを紹介します。
リノベーション前は和室のある間取り

購入したときのマンションには、リビング・ダイニングの隣に和室があり、キッチンもコンロ前が壁で塞がれたタイプでした。
購入時からスケルトンリノベーションを考えていたため、既存の間取りをそのまま活かすことはあまり考えていませんでした。
中でも最初から変えたいと思っていたのが、
- 和室をなくす
- リビング・ダイニングを広くする
- キッチンをペニンシュラかアイランド型にする
- 水回り設備を一式交換する
という部分です。
特にこの物件で魅力に感じたのが、和室とリビング・ダイニングの間の壁をなくせば、広いリビング・ダイニングを作れる構造だったことです。
我が家では和室を使う予定がなかったため、この部分は購入時からイメージしやすいところでした。


中古マンションをリノベーションする場合、現在の間取りだけを見るのではなく、「どの壁をなくせば、どんな空間にできそうか」という視点で物件を見るのも一つだと思います。
リノベーション後は「LDを広く、子ども部屋を小さく」

リノベーション後は和室をなくし、リビング・ダイニングを広く取りました。
そして間取りを考えるうえで、我が家にとって外せなかったのが、
- 子ども部屋2室
- パントリー
- WIC
- 夫婦の寝室
です。
子どもは男女なので、将来的にそれぞれの個室を用意することは最初から決めていました。
ただし、マンションの限られた面積の中で、LDKも個室も収納もすべて広くすることはできません。
そこで我が家が優先したのが、
「子ども部屋は小さくして、家族が集まるリビング・ダイニングを広くする」
という考え方でした。
これが我が家の間取りで一番大きなポイントです。
子ども部屋は約3畳。ロフトベッドを使う前提で小さくした
我が家の子ども部屋は、それぞれ約3.3~3.4畳です。
一般的な子ども部屋と比べると、かなりコンパクトです。
これは単純に「面積が足りなかったから小さくなった」というわけではありません。
子どもがそれぞれの個室にこもるより、なるべくリビングに家族が集まる家にしたいと考えていました。
また、将来的に独り立ちしやすいように、個室を必要以上に広くしなくてもいいのではないか、という考えもありました。
もちろん、LDKを広くするために子ども部屋から面積を削った部分もあります。
約3畳という広さで使うため、ロフトベッドを置いて限られた空間を有効活用することも最初から想定していました。
さらに、子ども部屋へ行くには必ずリビングを通る間取りにしています。
帰宅して玄関からそのまま自室へ入るのではなく、自然と家族が顔を合わせられる動線です。


ただし、現在はまだ本格的に子ども部屋として使用していません。
そのため、ロフトベッドを置いた約3畳の個室が実際にどの程度使いやすいのかは、まだ評価できていません。
そして今振り返ると、もっと別の間取りにもチャレンジしていれば、ここまで子ども部屋を小さくしなくても済む案があったかもしれないとも思っています。
子ども部屋の壁は最初から作っておけばよかった
子どもが小さいうちは2つの子ども部屋をつなげ、広い一室として使えるように、あえて間の壁を作りませんでした。
実際、現在も広い一室として使用しているので、この考え方自体にはメリットがありました。
問題は、暮らしているうちに物が増えることです。
いざ壁を作ろうとすると、荷物を移動して工事スペースを確保しなければなりません。
後から工事する手間まで考えると、
「壁だけはリノベーションのときに作っておいてもよかったかな」
と今は感じています。
現在は工事会社に壁を作ってもらうか、ラブリコを使って自分たちで間仕切りを作るか検討しています。
WICを2つ作り、各部屋にタンスを置かないようにした
我が家にはWICを2つ設けています。
一つは夫婦用、もう一つは子どもの衣類と物置を兼ねた収納です。
夫婦用WICは寝室に設け、寝室+WICで夫婦の衣類収納が完結するようにしました。
後からタンスなどを購入すれば、その分費用もかかりますし、部屋も狭くなります。
そのため、最初から間取りの中に収納を組み込むことにしました。
寝室については、ベッドのサイズや配置も想定したうえで間取りを決めています。
ただ、実際には現在まだベッドを置いておらず、夫婦用WICも想定したほど衣類収納として使えていません。
今のところ物置に近い状態なので、ここは今後ちゃんと活用したいところです。
WIC自体も、できればもっと広くしたかったです。
ただし、収納を広げれば、その分どこかの部屋を狭くしなければなりません。
「収納はもっと欲しい。でも、専有面積を考えれば仕方がない」
というのが、4年間住んだ現在の感想です。
食品の備蓄用にパントリーを作った

パントリーも、我が家では最初から必要だと考えていました。
主な用途は食品の備蓄です。
本当はキッチンのすぐ横に作りたかったのですが、全体の間取りとの兼ね合いで少し離れた場所になりました。
とはいえ、4年間使っていて特に不便は感じていません。
パントリーも、できればもっと広くしたかった場所の一つです。
ただ、ここもWICと同様で、どこかを広げれば別の場所が狭くなります。
限られた面積の中では、現在のサイズが現実的だったと思っています。
なお、パントリー内部の棚は造作せず、既製品のスチールラックを入れて費用を抑えています。
パントリーを作ったことで食品ストックの収納にはかなり役立っていますが、それでも暮らしているうちに収納するものは増えていきました。
我が家では最終的に、冷蔵庫横に残っていた15cmほどのスペースも活用して、隙間収納を追加しています。
実際に15cmの隙間収納に何を入れているのか、使って分かったメリット・デメリットはこちらの記事で紹介しています。
和室をなくしてLDを広くしたのは正解だった

Beforeにあった和室は完全になくしました。
その分、リビング・ダイニングを広くしています。
ここは4年間住んだ現在でも満足しています。
むしろ、広くした結果、テレビから離れると音が聞き取りづらいほどです。
これはリノベーションで後悔したこととして別の記事でも書いていますが、LDを広くしたこと自体を後悔しているわけではありません。
それくらい広さには満足している、ということでもあります。
キッチンは最終的にペニンシュラ型にしました。
キッチンからリビング・ダイニングを見渡せることも、間取りを考えるうえで重視したポイントです。
ダイニングテーブルの位置はある程度想定していましたが、ソファやテレビの位置は後から考えています。
結果的に現在の配置には満足しています。
和室を壊したら、畳の下から砂が出てきた
ちなみに和室の撤去では、想定外のこともありました。
我が家は築年数の経ったマンションということもあり、畳を撤去すると下から砂が出てきました。
当然この砂も撤去する必要があり、その分の撤去費用が別途かかっています。
間取り図だけを見ていると「この壁をなくせばLDが広くなる」と考えますが、古いマンションでは実際に壊してみないと分からないこともあります。
このあたりは別の記事で詳しく紹介しています。
スケルトンリノベーションでも間取りを自由自在に変えられるわけではない

スケルトンリノベーションというと、
「一度すべて壊すのだから、好きな場所にキッチンや浴室を置ける」
というイメージがあるかもしれません。
しかし、実際には何でも自由に動かせるわけではありませんでした。
我が家で大きな制約になったのが、パイプスペース(PS)です。
PSそのものは動かせないため、水回りはそこから大きく離れすぎないように考える必要がありました。
キッチンはBeforeから位置も向きもそれなりに変更しています。
その際、排水管が想定した位置にあるかどうかが問題でしたが、結果として希望する位置に設置できました。
浴室とトイレはそれほど大きく動かさず、洗面の位置は変更しています。
さらに、インターホンも大きく位置を変えることができませんでした。
角部屋は人気だけど、間取り変更では制約になることも
我が家は角部屋です。
角部屋は窓が多く、採光などの面では魅力があります。
一方、実際にリノベーションの間取りを考えてみると、窓が多いことが制約になる場合もあると感じました。
窓は好きな場所へ移動できません。
そのため、窓の位置を考えながら個室などを配置する必要があります。
我が家の場合も、PSやインターホン、窓など、動かせないものを残しながらパズルのように部屋を配置していく感覚でした。
もちろん角部屋だからリノベーションに向いていないということではありません。
ただ、物件として人気の条件が、そのまま「間取りを自由に変更しやすい条件」とは限らないことは、実際に経験してみて分かりました。
解体するまで分からないなら「できた場合の第二案」も考えておけばよかった
さらに難しいのが、解体してみなければ分からないことがある点です。
我が家でもPS内部の配管位置など、実際に壊して初めて分かったことがありました。
当時は、できるかどうか分からないことを前提に、別の間取りまで用意することはしませんでした。
ただ、今もう一度リノベーションするなら、
「解体して条件が良ければ、この間取りにする」
という第二案まで考えておくと思います。
できなければ当初の案に戻ればいい。
でも、できると分かったときに別案を考えていなければ、そこから急いで間取りを作り直すのも大変です。
今振り返ると、水回りをもっと大胆に動かすような案にもチャレンジしてみたかったと思っています。
5〜6社に相談するうちに、自分たちの間取りが固まっていった

今回の間取りは、最終的に契約したリノベーション会社からゼロから提案してもらったものではありません。
我が家はリノベーション会社を決めるまでに、5〜6社ほどに相談しました。
会社によって提案はかなり違いました。
予算を考慮して、既存の間取りをほとんど変えないリフォームに近い提案をする会社もあれば、ガラッと間取りを変更する案を出してくれる会社もありました。
もちろん、他社からもらった図面をそのまま別の会社へ見せたわけではありません。
ただ、さまざまな提案を見るうちに、
「我が家ならこういう間取りにしたい」
というイメージが徐々に固まっていきました。


そのため最終的には、
「どんな間取りを提案してくれる会社か」より、「自分たちが考えた間取りを、なるべく予算内で実現できる会社はどこか」
という視点で会社を探していたように思います。
会社だけでなく「誰が担当するか」も重要だった

リノベーション会社を選ぶとき、どうしても会社の施工事例や実績に目が行きます。
ただ、実際に経験して感じたのは、会社だけでなく、自分たちを担当する人もかなり重要だということです。
我が家を担当してくれた方は、とても良い方でした。
一方で、経験という面では、打ち合わせの中で少し頼りなさを感じる場面もありました。
そして、施工会社のサイトで、
「この間取り、すごくいい」
「この施工事例みたいにしたい」
と思ったとしても、その事例を担当したデザイナーが自分の家を担当してくれるとは限りません。
会社は一つの物差しにはなります。
ただ最終的には、自分たちの希望や生活を理解して、さらに一歩踏み込んだ提案をしてくれる担当者と巡り会えるかも大きいと思います。
定額リノベーションで安くできると分かり、そこで検討を止めてしまった
最終的に我が家が選んだのは、定額制のリノベーションでした。
何社かの見積もりや提案を見た後だったので、希望する間取りを想定していたよりも安く実現できることが分かりました。
当時は、


という感じで、そのまま話を進めました。
ただ、今振り返ると、ここでもう一度考えてもよかったと思っています。
「この間取りが予算内でできる」
で終わるのではなく、
「この予算なら、さらに何ができますか?」
と聞いてみてもよかった。
現在の間取りに不満があるわけではありません。
むしろ希望する間取りを想定より安く実現できることに満足して、そこで検討を終えてしまったという感覚です。
もう一段階、水回りを大胆に動かした案などを検討していれば、約3畳まで小さくした子ども部屋を、もう少し広くできる別の可能性もあったかもしれません。
実際にできたかどうかは分かりません。
でも、「できるか分からないから考えない」のではなく、できた場合の案まで考えておけばよかった。
これが、今感じている「もっとやればよかったこと」です。
施工事例は「おしゃれ」だけでなく、自分の生活に置き換えて見る

これからマンションリノベーションの間取りを考えるなら、施工事例はたくさん見た方がいいと思います。
ただ、
「この家、おしゃれだな」
だけで見るのではなく、
「自分たちがこの家で生活したらどうなる?」
という視点で見ることが大切です。
我が家なら、
- 男女の子どもなので個室が2つ必要
- 食品の備蓄が多いのでパントリーが欲しい
- 衣類などをまとめるWICが欲しい
- 個室より家族が集まるLDを広くしたい
- 子ども部屋へはリビングを通って行くようにしたい
といった条件がありました。
どれだけ素敵な施工事例でも、自分たちの生活に合わなければ、そのまま真似することはできません。
施工事例は「真似したいもの」を探すだけでなく、自分たちの暮らし方を考える材料として見るのがおすすめです。
間取りだけでなく、素材や設備の価格差も薄く理解しておく

施工事例を見るときには、間取りだけでなく素材や設備にも目がいきます。
「無垢材を使いたい」
「このキッチンにしたい」
「このタイルを使いたい」
など、希望はどんどん増えていきます。
そのときに大切なのは、単に、
「無垢材は高い」
と知っているだけではなく、
「突板と比べるとどのくらい価格が違うのか」
くらいの感覚まで持っておくことだと思います。
もちろん、正確な金額を把握する必要はありません。
施工会社によって仕入れ価格も違いますし、選ぶ商品によっても変わります。
それでも、「高い・安い」だけではなく、どのくらい金額が変わるのかを薄く理解しておくと、予算とのバランスを考えやすくなります。
ショールームで実物を見ることも参考になりますが、表示されている価格と実際の施工価格が同じとは限りません。
理想から引き算するより、予算の中で足し算していく

これは実際にリノベーションを経験して、今振り返って感じることです。
最初に100点の理想を作って、
「これは高いからやめる」
「これも予算オーバーだからやめる」
「これも諦める」
と一つずつ引き算していくと、打ち合わせが進むほど残念な気持ちになってしまいます。
それよりも、
まず予算の中でどこまでできるのかを知り、そこから「これもできる」「ここも少し良くできる」と足していく。
その方が、リノベーションそのものを楽しめると思います。
そのためにも、施工事例を見るときには、
自分たちの生活に合うか。
自分のマンションで実現できるか。
自分たちの予算で実現できるか。
この3つを一緒に考えておくことをおすすめします。
4年間住んだ我が家の間取りは85点

リノベーションから約4年間住んで、我が家の間取りを100点満点で評価するなら85点です。
子ども部屋の壁を最初から作っておけばよかったこと。
夫婦用WICを思ったほど活用できていないこと。
WICとトイレの位置は逆でもよかったかもしれないこと。
収納はもっと欲しかったこと。
細かく見れば、今なら変えたいところはあります。
それでも、間取りそのものに大きな後悔はありません。
同じマンションをもう一度リノベーションするとしても、
「LDを広く、子ども部屋は小さく」
という基本的な考え方は変えないと思います。
子ども部屋へ行くにはリビングを通る。
WICやパントリーを間取りの中に組み込む。
こうした部分も残します。
ただ、今ならもう一度、
「この条件の中で、他の間取りは本当にないのか?」
を考えます。
残りの15点は、今の間取りが使いにくいから減点した15点ではありません。
もっと別の可能性にもチャレンジしてみたかった15点です。
水回りをもっと動かせたかもしれない。
子ども部屋をもう少し広くできたかもしれない。
解体して初めて分かる条件を利用した、別の間取りがあったかもしれない。
結果的に今の間取りを選んだとしても、そこまで検討したうえで決めていれば、さらに納得できたと思います。
マンションリノベーションでは、専有面積やPS、窓、予算など、さまざまな条件の中で間取りを考えることになります。
すべてを広くすることはできません。
だからこそ、
「自分たちの家では、何を一番大切にするのか」
を先に決めることが大切です。
我が家の場合、その答えが、
「個室より、家族が集まる場所を広くする」
でした。
4年間住んだ現在も、その選択には満足しています。







